新規の患者さんからよく尋ねられる

各ED治療薬の違い

について、改めて説明しようと思う

2016年6月現在、国内で承認され、福岡で入手できるED治療薬は

ファイザー社のバイアグラ

日本新薬社(製造元:イーライ・リリー社)のシアリス

バイエル薬品社のレビトラ

各社から発売しているジェネリックバイアグラの3種、4品目である

バイアグラジェネリックは割愛するとして、バイアグラ、シアリス、レビトラの違いを詳しく説明しよう

バイアグラ、シアリス、レビトラの大きな違いはその主成分にある

バイアグラはシルデナフィルというファイザー社が開発した成分、シアリスはタダラフィルというリリー・アイコス社(現在はイーライ・リリー者に吸収合併)が開発した成分、レビトラはバイエル薬品社が開発したバルデナフィルという成分が主成分となっている

バイアグラの化学構造式および説明



シルデナフィルクエン酸塩(Sildenafil Citrate)


1-[[3-(6,7-dihydro-1-methy1-7-oxo-3-propyl-11H-pyrazolo[4,3-d] pyrimidin-5-yl)-4-ethoxyphenyl] sulfonyl]-4-methylpiperazine monocitrate


C22H30N6O4S・C6H8O7


666.70

シルデナフィルクエン酸塩は白色の血漿性の粉末である。N,N-ジメチルアセトアミドに溶けやすく、水又はメタノールに溶けにくく、アセトニトリル、エタノール(95)又はジエチルエーテルにはほとんど溶けない

シアリスの化学構造式および説明



タダラフィル(Tadalafil)


(6R,12aR)-6-(1,3-benzodioxol-5-yl)-2-methyl-2,3,6,7,12,12a-hexahydropyrazino[1′,2′:1,6]pyrido[3,4-b]indole-1,4-dione


C22H19N3O4


389.40

白色の粉末である。ジメチルスルホキシドに溶けやすく、アセトニトリルにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない

レビトラの化学構造式および説明 



バルデナフィル塩酸塩水和物(Vardenafil Hydrochloride Hydrate)


1-{[3-(3,4-Dihydro-5-methyl-4-oxo-7-propylimidazo [5,1-f][1,2,4]triazin-2-yl)-4-ethoxyphenyl]sulfonyl}-4-ethylpiperazine monohydrochloride trihydrate


C22H32N6O4S・HCI・3H2O


579.11

本品は白色~微黄色の結晶性の粉末である。本品はエタノール(99.5)又は水にやや溶けやすい

上記の化学構造式および解説にあるようにシルデナフィル(バイアグラの主成分)とバルデナフィル(レビトラの主成分)は非常によく似た形状をしているが、タダラフィル(シアリスの主成分)の構造はブロック状のため分解されにくく、結果として薬効が長時間続く構造となっているのがお分かりいただけるだろう

3種に共通しているのはバイアグラ、シアリス、レビトラ共に、性的刺激や性的興奮によって自然に促される勃起を薬効によって補助するという薬理である点である

誤解なきよう申し加えるが、服用によって勝手に勃起が起きる、射精後も勃起が続くというような働きはない

また3剤共に血管を拡張する作用があるため、共通する副作用として「顔のほてり」がほとんどの服用者に現れる

おなじく血管を拡張する飲酒によって顔のほてり、頭痛、動悸が現れる者は、バイアグラ、シアリス、レビトラの服用によっても同様の顔のほてり、頭痛、動機が副作用として現れやすい

頭痛が出る場合は頭痛薬との併用を強く勧めており、当院では「ジクロフェナクナトリウム(一般名:ボルタレン)鎮痛薬」を1錠100円にてED治療薬とともに院内処方することが可能である

また、特徴として作用時間の違いがある

一覧はレビトラの歴史に記載しているが、バイアグラは効果の発現までに平均1時間、作用時間は平均3時間半。 シアリスは効果の発現までに平均2時間15分、作用時間は18時間。 レビトラは効果の発現までに平均48分、作用時間は平均4時間15分となっている

効果や副作用等の違いについては個人差というよりも効き方の好みが存在する

圧倒的知名度によって「バイアグラが一番」と言う患者さんもあれば、服用タイミングを考えないで済むから「シアリスが一番」と言う患者さんもおられ、副作用のの小ささをもって「レビトラが一番」と言う患者さんもいらっしゃる

この辺りは効果というより、やはり「好み」で選らばれる患者さんが多いと言わざるを得ない

そのため、当院では3剤のアソートパックを用意している

バイアグラ・シアリス・レビトラの比較

 薬剤名 バイアグラ シアリス レビトラ
有効成分 シルデナフィル タダラフィル バルデナフィル
錠剤の形状

国内正規品 ファイザー株式会社のバイアグラ錠50mg

国内正規品 ファイザー株式会社のバイアグラ錠50mg

国内正規品 日本新薬(日本イーライリリー社製造)のシアリス錠10mg、20mg

国内正規品 日本新薬(日本イーライリリー社製造)のシアリス錠10mg、20mg

国内正規品 バイエル薬品のレビトラ錠10mg、20mg

国内正規品 バイエル薬品のレビトラ錠10mg、20mg

ひし形状で青い錠剤 涙形状で黄色い錠剤 真円状でオレンジの錠剤
用量 50mg、10錠シートまたはフィルム剤

10mg、20mg、10錠シート

10mg、20mg、10錠シート

特長 世界初のED治療薬。
世界的に有名で安心感がある。
短時間で効くが副作用もそれなりのため、スーパーカーで言えば大排気量で過給器付きの

パガーニ・ウアイラ

バイアグラやレビトラと比べると穏やかな効果でゆるやかな効果。
ゆっくりと長時間作用するので、スーパーカーで言えばロングドライブも苦にならない

フェラーリ・812スーパーファスト

水に溶けやすい特性のため速効性が高い。
バイアグラと同様に短時間で効くが副作用が小さいため、スーパーカーで言えば

ランボルギーニ・アヴェンタドール

服用のタイミング 性行為1時間前 性行為2時間15分前 性行為48分前
作用時間 平均3時間半、最大5時間 平均18時間、最大36時間 平均4時間、最大8時間
お酒との併用 適量であればリラックス作用で相乗効果。
副作用 顔のほてり、目の充血、頭痛、動悸、鼻づまりなど 頭痛、潮紅、ほてり、消化不良、背部痛、筋痛、鼻づまり、四肢痛など 顔のほてり、目の充血、頭痛、動悸、鼻づまりなど
併用禁忌薬 バイアグラの併用禁忌薬
バイアグラの併用注意薬
シアリスの併用禁忌薬 レビトラの併用禁忌薬
レビトラの併用注意薬
不整脈の方 アンカロン錠、アミオダロン塩酸塩を使用していなければ処方可能 治療により管理されていれば処方可能 こちらに記載の抗不整脈薬を使用している場合は処方不可
抗真菌薬を使用中の方 ○ 処方可能 ○ 処方可能 こちらに記載の抗真菌薬を使用している場合は処方不可
HIV治療薬を使用中の方 ○ 処方可能 ○ 処方可能 × 処方不可
網膜色素変性症の方 × 処方不可
血液透析中の方 ○ 処方可能 著しく効果が増強するため、慎重投与。要経過観察 × 処方不可
心筋梗塞の既往歴がある方 発症後6ヵ月以上経過していれば処方可能 発症後3ヶ月以上経過していれば処方可能 発症後6ヶ月以上経過していれば処方可能
脳梗塞・脳出血の既往歴がある方 発症後6ヵ月以上経過していれば処方可能
低血圧の方 最大90mmHg未満、または最小50mmHg未満は処方不可
※薬で正常値にコントロールされていれば処方可能
最大90mmHg未満、または最小50mmHg未満は処方不可
※薬で正常値にコントロールされていれば処方可能
最大90mmHg以下は処方不可
※薬で正常値にコントロールされていれば処方可能
高血圧の方 最大170mmHg以上、または最小100mmHg以上は処方不可
※薬で正常値にコントロールされていれば処方可能
最大170mmHg以上、または最小100mmHg以上は処方不可
※薬で正常値にコントロールされていれば処方可能
最大170mmHg以上、または最小100mmHg以上は処方不可
※薬で正常値にコントロールされていれば処方可能