週刊現代2016年6月11日号先月中頃から、バイアグラシアリスレビトラといったED治療薬と共にロキソニン(当院では、ED治療薬の副作用による軽度の頭痛が気になるという患者さんには鎮痛薬としてロキソニンを処方している)を処方した患者さんや、AGA治療薬プロペシアザガーロの患者さんをはじめ、高血圧や糖尿病の既往症のある患者さんからも「いま飲んでる薬が危ないという話を聞いたんですけど、大丈夫ですよね?」という問い合わせが続いていた

主に電話による問い合わせであり、その都度、可能なかぎり分かりやすく説明させていただいていたのだが、その問い合わせの数が100件を超えたので、改めて文章化することにする

事の発端は「週刊現代」2016年6月11日号に掲載された
医者に出されても飲み続けてはいけない薬」という特集であった

実に多くの医療用医薬品の危険性を説いており、よほど反響があったのか1週置いてからは
医者に言われても受けてはいけない手術」2016/06/25日号
医者に言われても「受けてはいけない手術」「飲み続けてはいけない薬」」2016/07/02日号
医者に言われても断ったほうがいい「薬と手術」」2016/07/09日号
医者がすすめてもやってはいけない「手術」飲んではいけない「薬」」2016/07/16日号と4週連続で特集を組んでいる

※2017年1月現在、「週刊現代」の記事はすべて有料化されたもよう

さらには「週刊ポスト」や「週刊文春」までも追従している始末である

かわって、「週刊プレイボーイ」No.29(2016年07月04日発売)の記事「医療現場クライシス! パニック患者が激増して医者が悲鳴をあげている!」の中でインタビューに答えている松戸神経内科、JCHO東京高輪病院の高橋宏和医学博士のコメントを紹介しよう

「一番困るのは、雑誌の新聞広告だけ見た患者さんが『この薬、飲んじゃいけないって“新聞に”書いてありました』と言ってくることです。広告なのに『新聞に載っていた』という記憶にすり替わっているんですね」

続けて高橋医師はこう続ける「だから思わず『せめて記事を読んでくださいよ』と言いかけて、いかん、売り上げに貢献してしまうと(笑)」 

我々 厚生クリニック福岡は福岡博多の地でED外来専門医療機関のパイオニアとして10年の実績があり、世に蔓延るEDやED治療薬をはじめとする医療全般に対する誤った情報や誤解、ウソを正していく使命があると考え、有意義な記事も積極的に取り上げ、理解向上に努めたいと願っている

週刊現代誌における一連の記事をニュートラルな視点から読み解くと、センセーショナルな煽りを目的としただけのタイトルであると断言せざるを得ない

なんのことはない、記事が煽っている不安は「副作用のことだけ」である

医薬品とは原則的に副作用=デメリットより、効果(正作用)=メリットの方が遥かに大きいからこそ、治療薬として確立されている(詳しくは当サイト内のコラム「効果と副作用について 上」、「効果と副作用について 下」を参照されたし)

大きな副作用がある医療用医薬品のやり玉に上げられる抗ガン剤も、副作用の辛さ(=デメリット)と延命効果(=メリット)とを天秤にかけた時に、延命を望む場合に使用するのが原則である
現在の医療現場は、QOL(クオリティー・オブ・ライフ=患者さんの人生の質の向上)を第一の命題として挙げている
決して患者さんの意向を汲み取らずに勝手に治療方針を決めるなどということはないので安心して欲しい

そういった観点から見ても、医療用医薬品の主体への危険性ではなく、側面としての副作用だけをことさらに強調する手法は褒められたものではない

事の発端となった「週刊現代」2016年6月11日号の表紙を見てほしい。 中央にはこう書かれている「ダマされるな! 医者に出されても飲み続けてはいけない薬

常々こういった医療業界バッシングの記事を見るにつけて疑問に思うことがある

医師が何のために患者さんをダマすと言うのか? 

患者をダマすことで医師が大きな利益を上げられるというのなら理解はできるが、医師が患者さんをダマしても実は大儲けできない
医師がダマして大儲けできる相手は患者さんではなく厚生局である

Googleニュースで「診療報酬 不正受給」と検索すれば分かるが、高い治療費を患者さんに払わせずとも、厚生局をダマして診療報酬を多く請求したほうがよっぽど儲けになるのである
よって医療提供側が医療受信側たる患者さんをダマす理由はないのである

無論、だからと言って医師の言うことを無条件に盲信しろとは言わない

水素水に関するコラムにも記載したが、疑問に思うことは決して悪いことではない

今回、不安になって当院に問い合わせしてくれた患者さんの多くがそうであるように、疑問に思った時に闇雲に不安にかられるのではなく、冷静に調べていただきたいのである

少なくとも我々は当院の患者さんからの問い合わせには真摯に向き合い、納得していただけるまで説明する義務があると思っている