水素水インチキ報道に対する考察02

水素水インチキ報道に対する考察01のつづき

前回、日本人的「無信仰」が美容・健康商品に騙されてしまう原因と書いた

だからと言って「今から信仰を持て」と言うつもりは毛頭ない

信仰とは身の回りに当たり前のようになければ生活に根付くことは出来ないのだから

驚いた時に「我が神よ(Oh! My God!)」と誰もが口にする米国は、日本の全国民に匹敵する1億5千万人敬虔なクリスチャンを介している

独断的で神をも恐れぬ態度のトランプ大統領でさえ、就任時に「私は合衆国大統領の職務を忠実に遂行し、全力を尽して合衆国憲法を維持、保護、擁護することを厳粛に確約します」と聖書に手を当てて誓うのが当然という環境が信仰を持たせる土壌である

※アメリカの総人口3億3千万人中、自分はクリスチャンであると答える者は85%の2億8千万人 このうち自ら聖書を読み、毎週日曜日の午前中は教会に通うと答えた者は54%の1億5千万人 なお、自分は信仰を持たないと答えた者は0.05%の180万人(福岡市の人口と同じ)

そうは言っても美容・健康に関わる商品が宗教的だというのは飛躍し過ぎではないかと考える方もあろう

1980年代後半から1990年代前半に「ガンが治るツボ」が飛ぶように売れた

韓国系新興宗教団体が販売していたのだが、購入者は信者だけに留まらなかったために事件化し、当時を知っている者であれば地下鉄サリン事件と共に「宗教は怖い」と実感した事件として記憶されているはずだ。

くだんの「ガンが治るツボ」は本来、美術品として韓国から輸入された
教祖が代表を務める石材屋で大量に作った物でしかなかった

しかし全く売れなかったために、同宗教団体の日本幹部が教義と抱き合わせて販売するようになっていったのである

「ツボの深淵が先祖を霊界から開放する」「ツボは特別な大理石で出来ているから先祖の因縁を吸い込んでくれる」「今の体調不良は先祖供養ができていないから」とこじつけることで信者の間で爆発的に売れるようになったらしい

ほどなくして末期の胃ガンを患っていた女性信者の一人が「私のガンは先祖の因縁によるもの」と考え、同宗教団体の関連会社が販売していた「血を浄化する高麗人参」と共にツボを購入し、毎日祈り続けた

2ヶ月後の検診時に奇跡が起きた ガン細胞が縮小していたのである

以来、彼女はツボの販売会場の全てで講演を行い、そのウワサは瞬く間に広がって、信者以外も販売会場に押しかけるようになり、事件化していくのである

警視庁が把握しているだけも購入者の数は20万人(福岡市中央区の総人口は19万人、福岡市博多区の総人口が21万人)、被害総額は6,800億円にのぼる

当然ではあるが、このツボでガンが治ったのは販売に加担した彼女一人だけである
20万人中たったの1人 確率で言えば0.00005% この確率は英国の保険会社が算出した一生のうちに飛行機墜落事故で死亡する確率と同じである
そんなほとんど起き得ないような奇跡の確率を同宗教団体はエビデンスと言ったのである

エビデンスという言葉を使うのは詐欺商法の常套手段である

エビデンスとは証言という意味の英単語「EVIDENCE」が元となっており、美容・健康に関する商品のCMで「※個人の感想であり効果・効能を示すものではありません」という注意書きと共に垂れ流される愛用者の声のことである

我々のような医療提供者側は明確な効果・効能を示さなければ治療と呼ぶことはできない

また、美容・健康に関する商品では20万分の1という奇跡の確率でも0ではない限り「エビデンスがある」と言い張れるが、医療において0.00005%とは「効果はない」と言わねばならない

この美容健康商法と美容健康医療の違いは消費者の方々にゆめゆめ理解していただきたいことである

水素水インチキ報道に対する考察03につづく