水素水インチキ報道に対する考察01水素水インチキ報道に対する考察02水素水インチキ報道に対する考察03水素水インチキ報道に対する考察04のつづき

そもそも水素水とは一体何なのか?

水素水を一言で説明するならば「水素分子を加えた水」である

ならば水素分子ガスの論文に書かれている効果はそのまま水素水に当てはまるのではないか?と思われるであろう

残念ながら

  1. 水素分子には(活性酸素の一種を消去するという)抗酸化作用がある
  2. 水素水には水素分子が入っている
  3. だから、水素水は抗酸化作用をもつ

という三段論法は成り立たないのである

その大きな理由として、水素分子は溶け込んだ水の中にいつまでも安定して存在できないという物理法則がある

そもそも水素とはその字が表す通り、水の素になる元素である

理科の授業を思い出して欲しいのだが、元素記号Hは水素、元素記号O2は酸素
水素原子は不安定なので水素原子同士がくっつき合って水素分子H2として存在する
そして水素分子(H2)と酸素(O2)が合わさって安定した存在H2O=水となる

余談になるが、水素は英語で「Hydrogen」と書かれるが、語源はラテン語で水を意味する「hydôr」と、同じくラテン語で生むを意味する「gennen」を併せた合成語である

さて、すでに水素分子が酸素と結合して安定した水になっているところに、更に水素分子を加えるとどうなるのか?

自然法則に従い、安定したH2O状態に戻りたがり、余剰なH2は抜け出てしまうのである

2007年に太田教授の論文を無断借用した「天然水素水バナH」が売りだされた頃、2ちゃんねるのサイエンス板に匿名の科学者が「PETボトルに詰められた水素水はボトリングから数時間で水素分子がPETをすり抜けて出て行く」という事実を書き込み、この正しい情報はすぐさまTwitterやInstagramなどのSNSで拡散された

そのため現在、店頭に並ぶ水素水はアルミパウチかアルミ缶(水素分子はアルミ金属を通り抜けられない)で販売されている

しかし、パウチや缶の中で水素分子が水に溶けたままではない 安定化したがる水に追いやられ、水素分子は気体となってパウチや缶の上部を漂っているのである

よって開封とともにプシュッと大気の一部になってしまい、購入者の体内に入ることはないということになる

これが水素分子研究は科学であるが、水素水はインチキであるという証拠なのである

国立健康・栄養研究所の言い分は「水素分子については現在様々な研究がなされており、今後に期待できるが、水素水という商品には飲用水以上の価値はない」ということなのだ

そいう意味ではネット上で無責任過ぎると叩かれている伊藤園のQ&A「Q6.どんな健康効果がありますか? A6.伊藤園が販売する水素水は医薬品ではないため、健康効果を標ぼうするものではありません。」「Q9.なぜ水素水を販売しているのですか? A9.水分補給の1つの選択肢として販売しております。」は理性的と言えるのかもしれない

結論として、我々が伝えたいのは「美容健康商品のメーカーが何のためにその商品を売っているのか」を少し考える事のできる消費者であって欲しいということである

メーカーはあなたの健康を促進するために美容健康商品を売っているのではない 利益を上げるために売っているのだ 十分な利益を得られなければ必死に売り込む その必死さは時としてズルさを生んでしまう

ここで言うズルさとは「美容や健康に効果があるよう印象づけて売る」ということだ

詳しく言うと「身体に良さそう」な印象操作をしつつ「効果は謳わない」というキャッチコピー手法だ

この手法は実に様々な商品に使われている

例えば多くのコラーゲン商品は「プルプル」「ツヤツヤ」という表現によって、あたかも肌がプルプルとみずみずしくなって、ツヤやかになるという印象操作をするが、実際にはプルプルは食感であり、ツヤツヤはコラーゲン自体の見た目のことを言っているに過ぎなかったりする

くだんの国立健康・栄養研究所のサイトを見れば一目瞭然だが、医療用以外のコラーゲン商品やプラセンタ商品は一切の効果がないことが10年以上前に立証されている
にもかかわらず、いまだにコラーゲン商品やプラセンタ商品を盲信する者は後を絶たないのはメーカーの巧みな印象操作に乗せられているからである

たかが数百円と侮るなかれ。 消費者庁の試算によれば国民1人あたり平均で270万円もの大金を美容健康商品の消費に当てているというのである

これ以上のムダ金を浪費しないためにも「美容健康商品のメーカーが何のためにその商品を売っているのか」を少し考える事のできる消費者になっていただければ幸いである

以上

参考サイト:「水」商売ウォッチング