EDと生活習慣病Ⅱ(糖尿病)

糖尿病とは

EDと血糖値我々の生命を維持する最も重要な栄養素「糖質」
糖質とは三大栄養素の一つ「炭水化物」から食物繊維を除いたもので、経口摂取し胃で消化されると「ブドウ糖(グルコース)」に変質し、腸から体内に取り込まれて血流に乗り、全身の細胞で主たるエネルギー源として利用される

血液中のブドウ糖を「血糖」といい、血糖値とは血液中のブドウ糖の量を表している

通常、血糖値は「インスリン」やインスリンと逆の働きをもつホルモンのバランスにより、一定の範囲内にコントロールされている
そのため食事や運動をしても血糖値が極端に変動することはない

糖尿病とは、何らかの理由でインスリンの作用が十分でなくなり、血液中のブドウ糖濃度が高い状態が続く疾患である
放置すれば全身にさまざまな影響が出るようになり、重症化した場合は失明や腎不全、手先や足先など末端の壊疽などといった重篤な合併症を引き起こす

そして、糖尿病はEDとの関連性が高い病気の1つでもある

厚生クリニックの患者さんの中にも糖尿病薬を使用している方の割合は多い

糖尿病でEDを併発するリスクは、健常者の約3倍と言われており、40代では4割、50代は5割、60代は6割と年齢と比例して増えている
セックスの機会が少なければ無自覚な場合もあり、一説によれば男性の糖尿病患者の約80%がEDを合併しているという結果もあるほどである

糖尿病だとなぜEDになるのか?

正常な勃起のためには脳や神経、海綿体、血流などが問題なく機能する必要があるが、糖尿病に由来するEDは下記のような要因が挙げられる

神経障害

勃起のメカニズムには性的興奮を脳が脊髄神経を通じて勃起中枢に「勃起せよ!」という命令を下すのだが、糖尿病はその神経伝達回路に障害を起こしやすくしてしまうため、EDが発症する

海綿体の機能不全

勃起には「平滑筋の弛緩」によって多量の血液が陰茎海綿体に流れこむことが必要不可欠なのだが、糖尿病によって海綿体動脈などの内皮細胞において「内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOS)」の活性が低下し、弛緩が起こりにくくなり、結果的にEDとなってしまう

動脈硬化

糖尿病の典型的な症状として全身に渡る「動脈硬化」が挙げられる
とくに内腸骨動脈から陰茎動脈にかけての動脈に硬化が見られると、勃起機能の大幅な低下につながる

また陰茎海綿体の毛細血管は人体でも特に細い血管であり、動脈硬化による血流の悪化が顕著に現れる部位でもある
EDの症状は体の中で、糖尿病やその他の病気、加齢やストレス、飲酒、喫煙などによって生活習慣病が進行しているサインとも言えるのだ

このように身体的な原因から生じるEDを「器質性のED」と呼び、糖尿病による「うつ症状」に起因する「心因性のED」や、糖尿病薬や降圧剤などによる「薬剤性のED」などもあり、EDを誘発する原因となっている

糖尿病が原因となっているEDの診断

糖尿病に由来するEDかどうかは、血糖値が管理出来ているかの指標となる「ヘモグロビンA1c(HbA1c)」の数値や、糖尿病に羅患してからの時間経過などから動脈硬化の進行度合いを推定して判断できる

しかしながら、糖尿病とEDの因果関係ならびに合併率が非常に高いことはすでに分かっているため、自覚症状がある場合には、糖尿病とEDが併発していると考えるのが一般的と言えよう

糖尿病に由来するEDの治療法

当院では患者さんとの問診において糖尿病を発症していると分かった場合、HbA1cの値や、その他の疾病の有無の確認、服用薬のチェックを行う。 バイアグラシアリスレビトラを服用するのに特に大きな問題がなければ院内処方している

「糖尿病患者にバイアグラは効かない」というデマを信じこんでしまっていたという患者さんも少なからずいらっしゃるようなので、ネット上の情報に惑わされず、気軽に相談いただければ幸いである