ED対策として、世に氾濫する情報の中には怪しいものも多く、個人差だってある。
何を信じていいかわからないし、下半身の話だけに、誰にでもそうそう簡単に相談できない。
そんな悩みを解決するため、専門家たちが日々、研究を続けている。
ED治療の“現在地”を尋ねた。

久しぶりに女性とデートする機会があった65歳のA氏は、「失敗はできない」と、バイアグラをポケットに忍ばせた。
初めての服用だったため、ラブホテルに入る直前に飲むなどタイミングをしっかりと合わせた。
効果が出始める頃にベッドインしたはずだったが、目的を果たすことができなかった。

薬の効き目に期待していた分、落胆も大きかったという。
しかし、詳しく状況を聞くと、ラブホテルに入る前、女性とフレンチレストランに行き、食事とともにワインも飲んでいた。
バイアグラは食事や飲酒の影響を大きく受けてしまう
迂闊だった。

こうした失敗は少なくない

ガイドラインでも、バイアグラなどのED治療薬に反応しない患者への対応が、一つのテーマとなっている。
実は、ED治療薬の服用初期の失敗は、ほとんどが不適切な服用に原因がある。
油っこい食事の後の服用だった、飲酒量が多過ぎた、性的刺激を加えられていない、内服のタイミングを間違えた、などだ。

初歩的なミスゆえ、服用方法を改めることで効果が出た患者もおり、初期失敗例の救済率は41.5~59%と、指摘されている。
つまりED治療薬が効かない原因の約半数は“誤服用”というわけだ。
しかし、A氏のようにデートなのに、「食べられない飲めない」という状態は苦痛だ。
相手も楽しくないだろう。

実はED治療薬は、正しく飲むことが難しい薬でもある。 とくに持病を持つ人の中には、薬の服用自体を禁じられるケースもある。
重度の腎機能障害患者で透析を受けている人は、バイアグラはいきなり50ミリグラムを飲んではならず25ミリグラムから服用するべき、シアリスは5ミリグラムまでという服用についての注意があり、レビトラに関しては禁忌とされている。

狭心症などの心血管障害に処方されるニトログリセリンなどの「硝酸剤」を服用している人は、バイアグラ、レビトラ、シアリスともに併用はできない。
一方で、EDの原因ともされている高血圧だが、降圧剤を飲んでいる人は3剤とも制限がない。
持病によってED治療薬の選択肢も変われば、対策の方法も違ってくる。

引用元: 週刊ポスト2018年3月16日号