国内でのバイアグラジェネリック比較表
剤形 | 製造・販売 | 特徴 |
バイアグラ錠 50mg |
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販売承認日 1999年1月25日、発売開始日 1999年3月23日 | ||
50mg | ファイザー株式会社 | 割線× |
水で服用 | ||
1,500円~ | ||
シルデナフィル OD錠 50mg VI「トーワ」 |
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販売承認日 2014年5月19日、発売開始日 2014年5月26日 | ||
50mg | 東和薬品株式会社 | 割線○ |
レモン風味 | 水なし服用可 | |
コーヒー風味 | 1,000円 | |
シルデナフィル錠 50mg VI「キッセイ」 |
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販売承認日 2014年8月12日、発売開始日 2014年9月19日 | ||
50mg | キッセイ薬品工業株式会社 | 割線× |
水で服用 | ||
950円 | ||
シルデナフィル錠 50mg VI「YD」 |
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販売承認日 2014年6月23日、発売開始日 2014年8月4日 | ||
50mg | 株式会社陽進堂 | 割線○ |
水で服用 | ||
950円 | ||
シルデナフィル錠 50mg VI「あすか」 |
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販売承認日 2014年6月23日、発売開始日 2014年8月20日 | ||
50mg | 製造:あすか製薬株式会社 | 割線○ |
販売:武田薬品株式会社 | 水で服用 | |
1,000円 | ||
シルデナフィル錠 50mg VI「FCI」 |
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販売承認日 2014年9月17日、発売開始日 2014年10月1日 | ||
50mg | 富士化学工業株式会社 | 割線× |
色・形・添加物 バイアグラ錠と同一 |
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900円 | ||
シルデナフィル錠 50mg VI「DK」 |
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販売承認日 2014年8月12日、発売開始日 2014年9月10日 | ||
50mg | 製造:大興製薬株式会社 | 割線× |
販売:本草製薬株式会社 | 薄いピンク色 | |
950円 | ||
シルデナフィル錠 50mg VI「DK」 |
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販売承認日 2014年8月12日、発売開始日 2014年9月19日 | ||
50mg | 製造:大興製薬株式会社 | 割線× |
販売:摩耶堂製薬株式会社 | 薄いピンク色 | |
950円 | ||
シルデナフィル錠 50mg VI「TCK」 |
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販売承認日 2014年8月12日、発売開始日 2014年9月26日 | ||
50mg | 辰巳化学株式会社 | 割線× |
薄いピンク色 | ||
1,000円 | ||
シルデナフィル錠 50mg VI「SN」 |
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販売承認日 2014年8月12日、発売開始日 2014年9月9日 | ||
50mg | 製造:シオノケミカル株式会社 | 割線× |
販売:アルフレッサファーマ | 薄いピンク色 | |
950円 | ||
マイラン(商品名未公表) |
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販売承認日 2014年8月12日、発売開始日 未定 | ||
未発表 | マイラン製薬株式会社 | ? |
? | ||
?円 | ||
シルデナフィル錠 50mg VI「テバ」 |
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販売承認日 2014年8月12日、発売開始日 2014年10月21日 | ||
50mg | テバ製薬株式会社 | 割線× |
薄いピンク色 | ||
1,000円 |
※上記内容は上記製薬会社からの情報である。 沢井製薬、日医工は発売せず。 表のように2014年6月23日に「陽進堂」「あすか製薬」の2社が製造販売承認を取得。 同年8月12日には「キッセイ薬品」「テバ製薬」「シオノケミカル」「大興製薬」「辰巳化学」「マイラン製薬」の合計6社が取得、同年9月17日に「富士化学工業」が製造販売承認を取得してる。
マイラン製薬が製造販売承認を取得しているにもかかわらず発売しないのは、2013年1月1日よりマイラン製薬とファイザー株式会社が後発品事業の長期戦略的業務提携を締結しており、バイアグラジェネリックに関しては発売は見送られたため。
以上のようにバイアグラジェネリックは国内だけで11社が販売承認を受け、16種類がすでに発売されている。
実は同じじゃないジェネリック
多くのCMや刷り込みによって誰も疑わなくなってしまったが
実は、ジェネリック医薬品=元となった診断薬(先発医薬品)と同じ効き目ではない
まずはこちらを見て欲しい
1.2.にあるようにジェネリック医薬品が先発医薬品と同じなのは、有効成分だけである
効果と副作用についてにも記載したが、先発薬が約20年の歳月と約300億円という莫大な費用をかけて開発された結果として、副作用を最小限にして安定化させたのに対し、ジェネリックは安定性と同意性を机上でチェックするのみであり、溶質試験や毒性試験も行われていない
海外のジェネリック医薬品は新薬と同等の厳しい審査基準があるにも関わらず、我が国のジェネリックの審査基準が甘いのは健康保険制度の存在が大きい
諸外国ではあくまで患者個人の経済的理由からジェネリックが求められるのに対して、我が国では国の財政を切迫するという理由で、2002年、小泉内閣が聖域なき構造改革の一環として推進し、当時の不況も相まって半ば強引に仕分けされたという経緯がある
我々は政治家でもなければ、開発者でもないが、患者さんと直に接する医療従事者として患者さんの利益よりも国の財政を理由に推進されたジェネリックという存在に違和感を覚えてしまう
また審査基準が甘いという事実の結果が3.に示されたような効能格差40%というとんでもない結果に結びつく
本家バイアグラも有効成分であるシルデナフィルを25mg配合したバイアグラ錠25mgとシルデナフィル50mgを配合したバイアグラ錠50mgの2種類を販売しているが、これは患者さんによって使い分けることが前提となっている
しかし、効能格差が40%もあると50mg相当のジェネリックを処方したにもかかわらず、30mg分の効果しか得られないということになる
これでは患者さんの利益を損なってしまうのではないか
安さと引き換えに失うもの
そして個人的な意見になってしまうが、テレビCMのキャッチコピーにも違和感を感じる
先発薬を開発している製薬メーカーのCMの多くは開発者の熱意と患者さんの健康をアピールしているものが多いが、ジェネリックメーカーは工場の衛生管理と患者さんの財布をアピールしている
工場の衛生管理体制などという整っていて当然のものをわざわざアピールするあたりにあざとさを禁じ得ないのは、ひねくれ過ぎであろうか?
以上の理由を以って、我々、厚生クリニック福岡ではジェネリック医薬品ではなく先発薬によって治療に当たらせていただくというのが基本方針である
あえてジェネリックメーカーのCMで連呼される白々しいセリフを借りて締めくくりたい
全ては患者さんのために。